ラヴ・ラヴァーズ・キス
丸いテーブルを囲んで

そこには、3人の人間が座っていた。

1人めは、この高級レストランにはどう考えても不釣合いな

ジャージ姿にボサボサ頭のめがねをかけた男の人。

2人めは、制服姿に茶髪で

瞬時に目に入った十字架のピアスをつけた男の子。

3人めは、ふりっふりのロリータそのものといえる

フランス人形のようなたて巻きロールの金色の髪に緑の目をした女の子。

え・・・・

えええ?????

これ、これが、義父のお子様たちですか?

え、母よ、これ、(みんないい子ばかり)のみんな、なわけ?

マジで?

思わず、素でそのマジで?が出てくるくらいの衝撃ですけど、マジで?

「わ、お姉さま!そのドレスすっごくお似合いですぅ!」

ひえっ?

躊躇いと驚きが隠せない私を置いて、ロリ少女が高らかに声を上げた。

「写真で拝見した時に、お身体のラインがスラッとしてるから絶対にお似合いになると思ってたの!」

え、えええ・・・?

えっと、えっと・・・

頭の中が軽く混乱です。

「あ、ありがとう・・・。」

そう言うべき?

「こら、由愛!瑞葉ちゃんがびっくりしてるじゃないか。」

義父が言うと、ロリ少女・・・あ、いや、由愛ちゃんはきゃはっと可愛く首を捻った。

「いっけな~い、怒られちゃいました!」

・・・ははは・・・

と、心の中の渇いた笑みほどにも笑えない自分がいる。
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