ラヴ・ラヴァーズ・キス
「籍は入れなくてもいいかなって、思ってるの。悠人さんは、入れたいって言ってくれるのよ?だけど、形にこだわるつもりはないし、私も、もう50歳だしね。あとね、結婚式はしないつもりなの。私はね、一緒に暮らすようになるだけで充分かなって、けどハネムーンは…」

私は、右手で止まらなくなってる母の言葉を制して言った。

「ストップ、待って?」

恋する乙女な母の眼差しが、私に戻る。

「あ、ごめんなさい…」

いや

いや、良いんだけど

良いんだけどーーーー

「ーえっと、つまり新しいお父さんは悠人さんって人で、籍は入れないけどハネムーンには行くのね?んで、……一緒に暮らすって……。」

重要なのは、そこだろう…?
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