腐れ縁の悪友と元よわむしクン。
prologue

入学式


桜の花びらがヒラヒラと優雅に舞う。

桜の木が数百本も並ぶ並木道、通称「桜ロード」をゆっくり優雅に舞う花びらを眺めながら歩く。

とても美しく、癒される光景である。


「そんなわけねえな。」

「くっそ花びら邪魔なんだよ失せろ。」


ピンク色に染まった道を、蹴散らしながら歩く男女2名。

決して付き合っているなどという間違いはない。決して。


「お前今失礼なこと考えただろ」

「まさかそんな」

「嘘だな」

「年中考えてるよ」

「最低」


道の真ん中を独占し本来なら癒されるであろう空間を見事台無しにしていく。

そう、これが楽しい。

漫画のワンシーンみたいな光景を壊しながら歩く、最高。

周りの人から睨まれながらも、2人で仲良く仲良く話しながら並木道の花びらをひたすら蹴散らしていく。

やっとその道を抜ければ、私達がこれから毎日通う高校が見えてきた。

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