腐れ縁の悪友と元よわむしクン。
私と翔が席に座ると、少し教室内が騒がしくなった。

「あの人、めっちゃかっこよくない?」
「わかる!」

「でも隣にいた子彼女かな?」
「めっちゃ美人さんだよね、勝ち目ゼロ…」

「なんて言う名前だろう?後で話しかけよう!」
「彼女っぽいのいるのに?」
「そんなの無視無視!」

色々話が聞こえてきた。なんか急に騒がしくなったな…。

めっちゃかっこいいと言われているのは多分翔の事だ。いや、確実に翔だ。

翔は高1で既に身長は182cmもあり、完全なるモデル体型。脚長すぎ野郎である。

髪は天然パーマがかかったツヤツヤな茶髪であり、無造作にハネていて、まあイケメン髪型なのだ。

そして顔。

キリッとした切れ長の睫毛長すぎ二重に、高い鼻、何故かとぅるとぅるな唇。

いわゆるイケメン、いや超美形的なものか。

更にスポーツ、勉強だって完璧にできるという意味不明な機能付き。

こりゃ人気あるよな。

中学時代は告白が耐えなかったとか?

よく

「俺放課後用事あるから待っとけ」

とか言われたが多分告白だな。

すんげえな。

ただし性格についてはもうゲスである。

リア充を恨んだり妬んだり…とにかく可哀想な奴。

うん、これは知らないと可哀想。

まあそれでも人気は学年で一番あった。

まあ所詮顔だよな、性格が悪いわけではないし、リア充を妬む発言とか、桜を蹴散らすとかは私と二人でいるときとかしか言わないのだ。

気づく人は気づく。

ずる賢いな。

仲良くなったら損するよー。

そう心で忠告しながら頬ずえをつく。

なんだか視線がいまだに集まっているような気がするが…。

まあ翔関係だろう。

かなり緊張するが無視を決め込む。

するとドアがガラッと開いた。
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