腐れ縁の悪友と元よわむしクン。
「中入ろう」
「それな」
また入り口で2人立ち尽くしてしまったので、講堂の中に入った。
どんだけ立ち止まるんだ、私ら。
赤く高級そうな椅子がもうズラリズラリとどこぞの劇場みたいに並んでいる。
ざっと見て半分以上はもう既に着席していた。
「これってどこに座ればいいんすか」
近くにいたイケメンスーツ男性(多分先生)に聞いてみる。
スタイリッシュに立っていて、眼鏡を掛けている。足も長く、イケメンというより美形部類だ。
イケメン改め美形スーツは私に気付くとあからさまめんどくせえという顔をして、
「自由席なので好きなところに座ってください」
と席をの方を指さして言った。
指が長く美しい…
じゃなくて、自由席なのね、はい。
「ありがとうございました」
と言って礼をしてその場を離れる。
話し掛けただけで面倒臭いってどうなのよ、教師として。
そんなことを考えながら適当に後ろの方の席に座った。
勿論クソ野郎セットで。