腐れ縁の悪友と元よわむしクン。

「…これで、県立春野高校第70回入学式を終わります。」

校長と思われるダンディな先生の挨拶で入学式が終わった。

途端に周りがザワザワとし始める。

皆お元気なことで。


「皆さん、静かに。これからクラス発表があります。既に講堂を出たところにありますので、見に行ってください。クラスは8組まで、ひとクラス約35人です。」


校長が淡々と説明をする。

学年全体で約280人か…これって多いのか?


「クラスを確認した後は、自分のクラスの教室に行って、指定された座席に着席して下さい。以上、解散。」


非常にわかり易く説明をしてくれた校長は華麗にステージから降りていく。

この言葉と同時に皆が立ち上がって講堂から外に向かって走り出した。

「俺ら何組だろうな!?」
「とにかく見に行こうぜ!」

そんな声が多々聴こえてくる。

おいおい、みんな急ぐなよ。

そんなんで只今後ろの方は絶賛混雑中。

この学年は騒がしいみたいだ。

そして…


「いや起きろよ」


未だに寝ていたクソ野郎。

どんだけ寝てんだ。


「ん…いや、お前には渡さない…」

「は?」

「お前には…お前…」


寝言までほざいている。

何を渡さないのか気になるがここは私も出たいので起こすことにする。

ガッ!

思いっきりローファーでクソ野郎の靴を踏んでやる。

大体はこれでいつも起きる。


「おm…グオッ!?」


数秒後に痛みが来たのかビクッと反応。


「起きろクソ野郎」

「い"、いってえええ死にそう死んじゃう」

「死ね」

「酷い」


バタバタと転げ回るクソ野郎をさっさと起こして、講堂を出る。

クソ野郎が起きるのに時間がかかったせいで、ほとんど最後になっていた。
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