七月の魔法使いと黒猫
暖炉で、火が薪をのんで燃えている。
向かいで、一人かけソファに座って、母が編み物をしていた。
なんだか足元がないような、ふわふわした気分。変な感じ。
ゆっくりと周りを見回すと、見慣れた家具や調度品に内装。
ここ……わたしの家の居間だわ。
何故だが、おどろきはあまりない。
母のほうに顔を向けると、母はオレンジ色の糸で靴下らしきものを編んでいた。
サイズはとても小さい。わたしじゃはけないぐらいで、わたしより身長のある母にはとても無理だし、赤ちゃん用の靴下かしら?
……あら。
でも変だわ。
だって。だって、なにかしら?
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