Hazy moon night
合唱部の顧問の白川と言う年配の男性教師に譜面を渡されたハヤテは、早速ピアノの前に座った。
「澤口くん、頼んだよ。浅井先生から、君のピアノの腕前はスゴイんだって、耳にタコができるほど聞かされてるんだ。」
「はぁ…耳にタコ、ですか…。」
なかなかレトロな言い回しをするなと思いながら、ハヤテは譜面を広げる。
普通なら、年頃の女生徒ばかりの合唱部に、歳上の男、しかもピアノの上手な音大生が来たともなれば、黄色い声のひとつも上がるのだろうが、部員たちは至って冷静だ。
(すみませんねぇ、イケメン音大生じゃなく地味で目立たないメガネの音大生で…。)
何も言わなくても部員たちの落胆ぶりは、その雰囲気で痛いほど伝わってくる。
「澤口くん、頼んだよ。浅井先生から、君のピアノの腕前はスゴイんだって、耳にタコができるほど聞かされてるんだ。」
「はぁ…耳にタコ、ですか…。」
なかなかレトロな言い回しをするなと思いながら、ハヤテは譜面を広げる。
普通なら、年頃の女生徒ばかりの合唱部に、歳上の男、しかもピアノの上手な音大生が来たともなれば、黄色い声のひとつも上がるのだろうが、部員たちは至って冷静だ。
(すみませんねぇ、イケメン音大生じゃなく地味で目立たないメガネの音大生で…。)
何も言わなくても部員たちの落胆ぶりは、その雰囲気で痛いほど伝わってくる。