Hazy moon night
ハヤテが声を掛けると、その女の子はポケットから取り出したハンカチで涙を拭きながら顔を上げ、潤んだ瞳でハヤテの方を見た。
(あ…この間の…。)
それは、先日、駅で落とした学生証を拾ってくれた女の子だった。
「この時間、オレがピアノと音楽室の使用許可もらってるんだよね。勝手に弾いてるから、気にしないで。気にならないならいてもいいし、もちろん出てくれても全然構わない。オレも気にしないし。」
女の子が小さくうなずくのを見てから、ハヤテはピアノを弾き始めた。
(あ…この間の…。)
それは、先日、駅で落とした学生証を拾ってくれた女の子だった。
「この時間、オレがピアノと音楽室の使用許可もらってるんだよね。勝手に弾いてるから、気にしないで。気にならないならいてもいいし、もちろん出てくれても全然構わない。オレも気にしないし。」
女の子が小さくうなずくのを見てから、ハヤテはピアノを弾き始めた。