Hazy moon night
帰宅ラッシュの混み合った車内で、メグミの体がハヤテにピッタリと密着する。

(すげー近いんだけど…。まぁ、こんなに混んでたらしょうがないか…。)

かわいい女の子にこんなに密着された経験のないハヤテは、少しドキドキしながらも、頭の中で言い訳をして平静を装った。

つかまる場所のなかったメグミの体は、電車が揺れるたびにバランスを崩し倒れそうになる。

(仕方ないな…。)

ハヤテはつり革を持っていない方の手をそっとメグミの背中に添え、倒れないように支えた。


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