Hazy moon night
「つかまる所ないなら、適当にオレの服とか腕とかつかんでてもいいから。」

その言葉を聞いたメグミは嬉しそうにうなずくと、ハヤテの胸に顔をうずめるようにして、ギュッとシャツの胸元を掴んだ。

(なんだこれ?!思ってたのと違うんだけど!!やっぱりこの子、小悪魔だよ…。振り回されないようにしなきゃ…。)

電車が次の駅に着くまで、まるで抱きしめているような格好になりながら、ハヤテは胸の鼓動が速くなるのをメグミに気付かれまいと、“絶対に勘違いだけはするな”と何度も自分に言い聞かせた。



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