Hazy moon night
(や…やっと着いた…。)

揺れる車内で時折クラクラしながらも、なんとかメグミを支え続けたハヤテは、電車を降りて大きく深呼吸した。

(つ…疲れた…。死ぬかと思った…。)

「ハヤテ、ありがと。大丈夫?」

「ああ…うん。ちょっと、弱くて…。」

「弱いの?何に?」

「香りの強い物。香水とか、香りの強い柔軟剤とか…。満員電車なんて、あっちこっちで主張の強い香りが混ざり合ってもう、拷問みたいで…。」


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