Hazy moon night
「あっ、ごめん。私、コロンつけてる。」

「ああ、うん…そうみたいだね。」

音楽室で話していた時は、さほど気にならなかったメグミのコロンの香りが、電車に乗ってから密着したせいで、急に気になり始めた。

そして、メグミの髪からは、シャンプーの香りがした。

それだけならまだ耐えられたのかも知れない。

問題はむしろ、メグミ以外の乗客から漂う臭いだった。

香水や柔軟剤などの強い香りに汗の臭いが入り交じり、ハヤテにとっては地獄だった。


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