Hazy moon night
洋楽の“名曲”と言われる曲を何曲か続けて弾いた後、譜面がなくても弾けるようになった、ヒロの曲『Darlin'』をハヤテが弾き始めると、父親と和泉が、驚いたように顔を見合わせた。

ハヤテはどこか愛しげに笑みを浮かべ、楽しそうにピアノを弾いている。

その姿を見ながら、父親と和泉は優しい音色に聴き入った。

「ハヤテのヤツ…チーちゃんの事、知ってたのかな?」

「どうだろうな。しかしあれだ、タカさん…アンタの息子…恋してるな。それもかなり本気と見た。」

父親は和泉の言葉に嬉しそうにうなずいた。

「かもな。オレもそんな気がしたよ。ハヤテもそんな歳になったんだな…。」



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