Hazy moon night
バーを出て二人で家に向かって歩いている時、父親が静かにハヤテに話し掛けた。

「ハヤテ、さっきチーちゃんが言ってた事だけどな…。自分の将来に繋がる事かも知れないから、よく考えろよ。今まで散々遠慮して、人のために弾いてきたんだから、そろそろ自分の進むべき道を自分で考えて選んでもいいだろ。」

いつになく真剣な父親の表情と、思いがけない言葉にハヤテは驚いた。

「うん…。見てないようで、見てるんだね。」

「当たり前だろ。自分の息子の事だからな。」

父親は少し笑って、得意気に自分を指さした。


< 401 / 651 >

この作品をシェア

pagetop