Hazy moon night
スタジオでの練習を終えて帰宅したハヤテは、流し込むように食事を済ませた後、ピアノの前に座っていた。

防音が効いているので近所には迷惑がかからず夜でも練習できるが、家の中ではわずかながら他の部屋に音が漏れる。

何を弾いているかが母親にわかるのが嫌で、ハヤテは学校での課題やコンクール用の曲を練習する以外は、家ではピアノを弾かないようになった。

期待もしていないくせに、ダメ出しだけはハヤテに対してだけ人一倍厳しい母親が、ハヤテは嫌いだった。


< 410 / 651 >

この作品をシェア

pagetop