Hazy moon night
ハヤテがさりげなく譜面を並べるふりをしていると、その人はピアノのそばに来て、ハヤテに話し掛けた。

「澤口、久し振りだな。」

「あっ…浅井先生!お久し振りです。」

ハヤテが高校3年の時に担任だった浅井が、笑ってハヤテの肩を叩く。

「頼んどいて、なかなか顔も出せなくて悪かったな。元気だったか?」

「見ての通り元気ですよ。」

「澤口、雰囲気変わったんじゃないか?いくつになったんだっけ。」

「21です。先生はあんまり変わらないですね。いくつになったんですか?」

「今年、とうとう30の大台に乗るんだよ。」

「あ、先生まだ20代だったんですね。」

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