Hazy moon night
「いくらできる子だって…。ハヤテは…勘違いしてるんじゃないのか?」

「かもな…。たまに会っても下ばっかり向いて目も合わせようとしなかったし、ロクに会話しようともしなかった。ある程度の歳になってからは、家の中で笑ってる所なんて見た事なかったよ。」

「まぁ、そうなるわな…。」

「それが、この間久々に会ったら、ちゃんとまっすぐ目を見て話してくれてさ。あまり一緒にいてやれなかったのに、オレみたいな仕事もいいって。たいして飲めもしないのに酒にまで付き合ってくれてさ。素直に嬉しかったよ…。」

「頑張っても誰にも認めてもらえないんじゃ自信もなくすよ。彼女のおかげで変われたんじゃねぇか?少なくとも、人前で彼女への曲が演奏できるくらいにはな。たださ…。」

「ただ、なんだ?」

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