Hazy moon night
(オレ…変わったな…。)

ハヤテは感慨深い思いで音楽室に足を運んだ。

「澤口さん、こんにちは!」

「こんにちは。」

伴奏者を始めたばかりの頃は、部員たちとの間に大きな距離を感じていたのに、今では顔も名前も覚え、他愛ない会話もする。

(少しはこの子たちの役に立てたかな。)

残りわずかなこの時間を惜しむように、ハヤテはいつもより心を込めてピアノを弾いた。

卒業生を送るための歌声は、ハヤテの心にもどこか寂しく響いた。


< 477 / 651 >

この作品をシェア

pagetop