Hazy moon night
「期待なんかされてもないのに、ずっと母親の言う通りにピアノ弾いてきたけど、結局オレの唯一の取り柄は、母親に与えられたものだって気付いたんだ。だから…最後にちゃんとした結果を残して、背負わされた期待と一緒に恩を返そうと思って。」

「うん…。」

「しばらく本気で練習したいから、今までみたいにメグミと会う時間も取れないかも知れないけど…わかってくれる?」

ハヤテが尋ねると、メグミは少し寂しそうに唇をかみしめた。

「うん…。ハヤテにとって大事な事だもんね。応援する。」

「ありがとう。」

ハヤテは優しくメグミの頭を撫でた。

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