Hazy moon night
何かを思い出したように呟くハヤテの顔をメグミが見上げた。

「父さんの知り合いのミュージシャンに、春休みになったら来てみないかって言われてたんだった。」

「そうなの?」

「ここ最近忙しくて忘れてた。」

他人事のように話すハヤテに、メグミは少し不安そうにしている。

「なんか…ハヤテがどんどん私の知らないところに行っちゃうみたい…。」

メグミの小さな呟きは、すぐそばを通り過ぎたバイクの爆音にかき消された。

「え、何?」

「ううん…なんでもない…。」

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