Hazy moon night
ハヤテは少し寂しそうにしているメグミの手をギュッと握って、優しく話し掛ける。

「木曜日、いつもみたいに好きな曲弾くのも最後だから。メグミの好きな曲弾くよ。聴きにおいで。」

「うん。あの曲、弾いてくれる?」

「メグミのためなら、いくらでも。」

ハヤテが笑うと、メグミも嬉しそうに笑った。

「ライブの時、嬉しかったよ。」

「ああ…。メグミが来るって言ったから、みんなに頼んで追加してもらった。オレは歌えないから、ボーカルのコウに頼んで歌ってもらったんだけど…ホントにいい曲だよな。」

「ハヤテ、歌えないの?」

「人前で歌うのは得意じゃない。ずっと伴奏者だから。」

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