Hazy moon night
「そうだ。音楽室の準備室に、私の私物の譜面がいくつかあるから、好きなの持ってっていいよ。長い事お世話になったお礼と言ってはなんだけど。」

「いいんですか?」

「ああ、遠慮なく持って行きなさい。授業で使うものはコピーも取ってあるし、もう私の頭に入ってるものばかりだから。」

「じゃあお言葉に甘えて…後で見せてもらいますね。」


それからしばらく白川と話した後、5限目の終わりのチャイムが鳴って少し経つと、生徒たちが下校し始めた。

「そろそろ行くかい?」

「そうですね。コーヒー、ご馳走様でした。」

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