Hazy moon night
部員たちがハヤテと一緒にいた事で、逃げるようにして音楽室の前から離れたメグミは、一人学校を出て帰り道を歩いていた。

ほんの少し前までハヤテの隣は自分の場所だったのに、今日はそばに行く事もできなかった。

涙が後から後から溢れて、メグミの頬を伝う。

鞄の中には、昨日ハヤテが音楽室に落として行った譜面と、ハヤテがぐしゃぐしゃに丸めて公園のゴミ箱に投げ捨てた譜面が入っていた。



昨日メグミは、ハヤテの後を追う事もできないで、いつもハヤテと二人で手を繋いで歩いた帰り道を、一人泣きながらトボトボと歩いた。

いつかハヤテと抱きしめ合ってキスをした公園のベンチに力なく座り、ハヤテを想いながら流れる涙をハンカチで拭っていた。

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