Hazy moon night
しばらくしてベンチから立ち上がり、外灯の下を通り掛かった時、外灯の下に設置されたゴミ箱の中に、ぐしゃぐしゃに丸めて捨てられた譜面を見つけた。

メグミはそれを拾い上げると、泣きながら1枚1枚シワを伸ばして、胸に抱きしめた。

ハヤテが何度も弾いてくれた、大好きなラブソング。

たった一人の大切な人と、いつかこんな恋がしたいと、ずっと思っていた。

もっと早くハヤテと出会えていたら、寂しさを埋めるためだけの間違った恋をしなくて済んだだろうか?

3年前、勇気を出してハヤテに声をかけていたら、汚れを知らないキレイなままの自分で、ハヤテとまっすぐな恋ができただろうか?

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