Hazy moon night
メグミの住んでいる場所が遠くなった事や、ハヤテがコンクールで最優秀賞を受賞し、学外に向けての音大主催のコンサートでピアニストとして起用され多忙になった事で、二人で一緒に過ごす時間は思うように取れずにいた。

なかなか会う事はできないけれど、メグミとはできるだけマメにメールや電話で、会っていない時のお互いの事を伝え合っている。

メグミは大学に通いながら、駅前の書店でアルバイトをしている。

本が好きだし、自宅から近く通勤に便利で、いいバイト先だとメグミは言っていた。

言い寄ってくる男がバイト先にいないかと言うハヤテの心配は、メグミにはお見通しだったようで、“私にはハヤテより好きな人も、かっこいい人もいないよ”と一笑に付された。


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