Hazy moon night
相変わらずよくわからないヒロの発言に、素っ気なく真面目に返事をするハヤテを見て、父親がおかしそうに笑った。

「それで…ハヤテは卒業したら、チーちゃんちの子になるのか?」

「ああ…うん…そうだなぁ…。」

歯切れの悪いハヤテの返事を聞いて、ヒロが僅かに眉を寄せた。

「なんか他にやりたい事があるんなら仕方ねぇけどな…。ハヤテは、どうしたいんだ?」

「ヒロさんの元で、この仕事をしてみたいと思う気持ちはあるんです。信頼できる仲間を見つけて、自分のやりたい音楽をやっていきたい。でも…。」

ハヤテがためらいがちに答えると、ヒロはしばらくハヤテの顔をジッと見た。

「迷う理由はなんだ?彼女の事か?」

「……ハイ…。」


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