Hazy moon night
ヒロはタバコに火をつけてゆっくりと煙を吐き出すと、ため息をついた。

「将来を決めるのはオマエだ。自分のやりたい事や夢をあきらめるのを、あの子のせいにだけはすんな。」

ヒロの言葉は、ハヤテの心に重く響いた。

(メグミのせいに…?)

「本当にあの子の事が好きなら、それを言い訳にしないやり方を考えろ。」

「…ハイ…。」

何も話していないのに心の内をすべて見透かしたようなヒロに、ハヤテは畏怖の念を抱く。

神妙な面持ちで黙り込むハヤテに、ヒロが事も無げに言い放った。

「オレ今、日本で見つけた若くて面白いヤツら連れて、ロンドンでやってんだ。いずれハヤテの仲間になるかも知れねぇな。ハヤテがロンドンに来る気があれば、の話だけどな。」

「えっ…。」

(ロンドン…?)



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