Hazy moon night
ソウタと駅前で別れた後、急いで帰宅したメグミは、改めて雑誌の記事をじっくり読んだ。


若いミュージシャンの可能性や、本人もまだ気付いていない才能を、自分の元で最大限に引き出したい。


完成形を求めているわけじゃないから、これからどんどん形を変えて行く方がいい。


小手先の技術を持っている者よりも、少々荒削りでもいいから、未来の姿を見たいと思わせる魅力を持っている者に“プロポーズしたんだ”と、ヒロは語っていた。


雑誌を閉じて、メグミは膝を抱えた。


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