Hazy moon night
ハヤテはピアノを弾く前に手を洗おうと会場を出て御手洗いに向かった。
なんとなく見慣れないような懐かしいような自分の姿を鏡で見ながら手を洗って、会場に戻ろうとした時、廊下の端の方で身を屈めている女性の後ろ姿を見掛けた。
(何してるんだろう?)
その女性は、観葉植物の植え木鉢の陰や、レストスペースのテーブルの下などを覗き込んでいる。
(落とし物か何か、探してるのかな?)
もうすぐ披露宴の第2部が始まるので戻らないととは思ったが、その女性の事がどうしても気になり、ハヤテは後ろから近付いて背中越しに声を掛けた。
「どうかしましたか?」
ハヤテが声を掛けると、その女性は慌てた様子で足元に視線を落としたまま、涙声で答えた。
なんとなく見慣れないような懐かしいような自分の姿を鏡で見ながら手を洗って、会場に戻ろうとした時、廊下の端の方で身を屈めている女性の後ろ姿を見掛けた。
(何してるんだろう?)
その女性は、観葉植物の植え木鉢の陰や、レストスペースのテーブルの下などを覗き込んでいる。
(落とし物か何か、探してるのかな?)
もうすぐ披露宴の第2部が始まるので戻らないととは思ったが、その女性の事がどうしても気になり、ハヤテは後ろから近付いて背中越しに声を掛けた。
「どうかしましたか?」
ハヤテが声を掛けると、その女性は慌てた様子で足元に視線を落としたまま、涙声で答えた。