Hazy moon night
「どうしよう…。大切な物を落としちゃったみたいで…。大好きな人にもらった大切な物なんです。あれがなくなったら私…。」

「あれ…?」

ハヤテはそばにあったソファーの隙間に、キラリと光る物を見つけて拾い上げた。

「もしかしてこれかな…。」

その言葉に目を潤ませながら振り返った女性の顔を見て、ハヤテは目を見開いた。

「……メグミ…?」

「あっ…ハヤテ……。」

二人は時が止まったように見つめ合った。

12年振りの再会。

すっかり大人の女性になったメグミの姿に、ハヤテの胸が大きな音を立てた。


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