Hazy moon night
メグミが何かを言おうとした時、式場の係員がハヤテを呼ぶ声が聞こえた。

「澤口颯天様、いらっしゃいますか?」

「あっ…すみません、今行きます。」

係員に返事をして、ハヤテはメグミに向き直った。

「弟の結婚式に出席するために来てるんだ。もう行かないと…。」

「弟って…ユタカさん?」

「うん。え、なんで?」

「私、新婦のアオイの同僚。」

「そうなんだ…。すごい偶然…。」

自分の口からこぼれた“偶然”と言う言葉に、ハヤテの鼓動が速くなった。

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