Hazy moon night
「初めて会った時も、こんな感じだったね。」

「うん。」

メグミが壊れたブレスレットを手のひらに乗せて、少し寂しそうに微笑んだ。

「あれから何年経っても…やっぱり私には、ハヤテの代わりなんていなかったよ…。」

「えっ…。」

「でも、大事なブレスレットが壊れちゃうくらい、時間が経ったんだもん…。ハヤテの気持ちもわからないままで…私、もうこれ以上は待てないよ…。だからせめて…ハヤテの手で、終わらせて欲しい…。」

「メグミ…。オレは…。」

ハヤテの言葉を遮って、再び係員がハヤテを呼ぶ声がした。


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