Hazy moon night
『Darlin'』を弾き終えたハヤテがイスから立ち上がり、ピアノの前から離れた。

しかし自分の席には戻らず、まっすぐとメグミの方へと向かう。

そしてハヤテは、涙で頬を濡らしたメグミの手を取り、優しく微笑んだ。

ハヤテはユタカに向かって叫ぶ。

「ユタカ、好きにさせてもらうけどいい?」

ユタカはどこか嬉しそうに笑った。

「いいよ。兄貴もやるじゃん。」

そしてハヤテはアオイに向かって大声で話し掛けた。

「アオイさん、途中で申し訳ないけど、君の同僚を一人連れ去っていいですか?」

アオイは驚きながらうなずいた。

「ハ、ハイ…。」

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