Hazy moon night
それからハヤテは、末席に向かって深々と頭を下げた。

「両家の皆さんすみません。僕の今後の人生がかかってます。大事な人をこれ以上待たせるわけにはいかないので…失礼をお許し下さい。」

真面目で大人しかったハヤテの突然のエスケープ宣言に、澤口家の親族一同は呆気に取られている。

「メグミ、行こう。」

「…うん!」

ハヤテはメグミの手を引いて、出口に向かって走り出した。

二人は手を取り合って結婚式場のロビーを駆け抜け、建物の外に出た。

中庭のチャペルの前で、ハヤテが立ち止まる。


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