探求者たちの苦悩
拭いきれない不安が、胡乱な目つきへと変わる。
悠真クンのことは心配だけど、あれと似たような状態になれと言われて頷けるほど人間ができてない。
懸念は他にもある。
体調不良になるのも嫌だが、怖い思いをするのも嫌だ。それが人情ってもんだろう。
どんな安全面だろうが、胸にある不安を解消できるはずもない。
じーっと視線で訴えていると、背後からふわりと温かいものが触れてくる。
「さ、雑賀クン……?」
「すみません。嫌でしょうけど、まず横になってください」
ナチュラルな仕草で促され、押し倒された。
えッ、しかも膝枕?
あっという間の出来事に驚いていると、またもや遥香が説明してくる。
「雑賀は、神道系の霊術士よ。触れてるかぎり、全てが魔素に呑み込まれることはないわ」
そ、それはそれでまずいのでは?
エネルギーを取り出してる最中、今度は雑賀クンがくっついてるってこと?
……なんのイジメ?
意味不明な展開に抵抗すらできず、目を瞬かせていると。