青春に、寄り道中。



だけどわたしに制服が似合うのかな。
あ、でもそもそも冬服ってどんな感じなんだろうな……。



「部活は?どう?」

「楽しいよ。でも強化部じゃないから、練習は少ないけど」

「大会は?いつあるの? お母さん、応援するの楽しみにしてるのよ」

「それがね、転入生って転勤とか特別な理由がないと、半年は出られないの。 だから近くて来春かなあ」



そう説明すると、お母さんはちょっとしょんぼりした様子で「そうなのね」とつぶやいた。


お母さんはわたしが出る大会には決まって応援しにきてくれていたんだ。

わたしもそれがうれしくて、いつもいつもがんばっていた。



「早く食べなさい。遅刻するわよ」

「はーい」



お母さんはいつも一生懸命、わたしのために仕事をしてくれている。

おばあちゃんの入院費も、お母さんが払うことになっているからこそ、こっちにきてからは一段と仕事をがんばっている。


だからわたしも、一生懸命がんばらなきゃ。


まるで風のように、地面を駆けることができるように。







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