青春に、寄り道中。
「みんな驚くだろうね〜」
「あははっ、そうかも!」
わたしだってセーラー服を着たのは初めてだし、すごく新鮮な気持ち。
次に会うのはだれかな。
同じクラスだし……橋本くんかな?
なんか、驚かせるのって楽しいかも。
そんなことを思いながら、階段を上がって教室へと向かう。
「ねえ、かすみんって勉強してる?」
「勉強? そんなのしないって」
「うそ! もうテスト前だよ!?」
沙莉の大声に、周りにいた人は驚いたようにこっちを見てきた。
あれ、そうだったっけ……。
もうそんな時期? すっかり忘れてた。
「もう考査は来週だよ? それにかすみんの前の高校とは進み具合もちがうだろうし、ちゃんと勉強しなきゃ赤点取っちゃうよ!」
いつもほんわかしている沙莉の迫力に圧倒して、返す言葉が見つからない。
たしかに、やばい気がしてきた……。