青春に、寄り道中。



一体、なんだろう。

もしかして、テストでカンニングするとか……?
沙莉がそんなこと考えていたらどうしよう。

いやいや、そんなわけないよね。
いくら天然っぽい沙莉でも、さすがにそれはないかあ……。



また階段を上がり始めた沙莉に急いでついていって、隣に並ぶ。



「ねえ、どうすればいいの?」

「みんなで勉強するんだよ!」

「……“みんな”?」

「お昼のメンバーでに決まってるじゃんっ。 皐くんはものすごくバカなんだけど、蒼くんも若菜もすっごい頭良いの!」

「えっ!そうなの?」



橋本くんはなんとなく勉強とか嫌いなんだろうなっていうのはわかってた。
人のことは言えないけど、彼もよく授業中に居眠りしていたし。


でも、高瀬くんも若菜も頭良いなんて知らなかった。
ふたりとも隣のクラスだし……。


< 108 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop