青春に、寄り道中。



2段分くらい上ってからいまされたことに気がついて、「え?」と言って振り返ったけど、高瀬くんはもういなかった。



「……っ」



な、なにいまの。
恥ずかしくって、頬がカアッと熱くなる。


なんにも考えられなくて呆然としていたけれど、時間がないと思って急いで教室へと向かった。


案の定、机の上にジャージが置いてあって、わたしは急いでそれを持って階段を駆け下りた。


下駄箱で中履きからブルーの運動靴に履き替えて、外に出る。

校庭に行くとそこにはすでに先生の姿があった。

クラスメートももう整列をしていて、猛ダッシュでわたしもその列に加わったときに、ちょうどチャイムが鳴った。



せ、セーフ……。
それにしても、本当に疲れた。
もう足が動かないよ。


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