青春に、寄り道中。
体育は1組と合同で、今日は球技大会の練習。
11月9日と10日に行う球技大会は、ひとり2種目に出れる。
この間クラスでそれを振り分けて、私はバスケとソフトに出ることになった。
走るのは得意だけど、球技は大の苦手。
でもバスケとソフトはまだ走ることもあるから、バレーとかよりはマシかも。
授業開始の挨拶を終えて、クラスで別れて練習することになった。
「かすみん、ギリギリだったね!」
「本当、危なかった〜」
「でもジャージあって正解だよ! 今日曇りだし、寒いもん」
「そうだよね。よかった」
なんて話しているいまも、頭には高瀬くんばかりが浮かんで、消そうとしても消えない。
「かすみん?」
どうしたの、と聞かんばかりに沙莉は心配そうな顔をしてわたしの顔を覗き込んだ。