青春に、寄り道中。



「はあ」とため息を吐くと、カタンッとうしろから物音が聞こえて、勢いよく振り返る。



さわやかな水色の生地に細い白い線が縦に入ったワイシャツに紺のネクタイ、そして紺のズボン。

それをちょっとだけ着崩した、とってもきれいな顔立ちをした男の子がドアのところに立っていた。



……ここの制服ってこんな感じなんだ。さわやかだなあ。

なんて思っている間も、彼は不思議そうな顔をしてじっとわたしのことを見てきた。



「あの、えっと……?」

「……なにしてんの?」

「え?」

「そんな制服、見たことない」



一見物静かそうな彼は、そう聞いてきた。


不審者とか怪しいやつみたいに思われてるのかな。
……そりゃあそうだよね、ここら辺の制服を着てるわけでもないし。


そんな彼の言葉に、「転校してきて」と小さな声で返事をした。



「そっか。 でも学校は明日からだよ」



彼はぽつりと最後にそう言ってから、そのまま踵を返してドアのところから消えてしまった。


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