青春に、寄り道中。



「マネージャーを沙莉にやってもらおうと思ってたの」



若菜はまゆ尻を下げて困ったような顔をしながらわたしにそう説明してくれた。


そういえば、早川くんの怪我が治って、マネージャーの仕事をしてくれる人がいないから困ってるって言ってたっけ。


夏休み前に引退するまでは、3年の女の先輩でマネージャーがいたらしい。

だけど引退してからは、怪我をした早川くんがマネージャー代わりになっていたみたい。



「でもそっかあ、沙莉も無理か……」

「うん、力になれなくてごめんね」



若菜がガックリと肩を落としてため息を吐いた。


そういえば家庭科部って、意外と活動する日が多いとかって言ってたなあ。

料理作ったりお裁縫とかしたり茶道を習ったり……。



「じゃあ、高瀬くんか皐くんは?」



美術部はあんまり活動がないみたいだし、皐くんだって幽霊部員だからあんまり部活に参加してないみたい。


< 153 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop