青春に、寄り道中。
なんか悪いこと言っちゃったかな、わたし。
そう思ってたけど、「いいよ」という言葉が聞こえて、わたしは目の前に座る高瀬くんを見た。
「え!? 高瀬がやるの?」
「うん」
「でもさあ……」
若菜は驚いているようにも見えるし、困っているようにも見える。
皐くんも沙莉も、さっきよりもさらに目をまんまるに見開いている。
「新しいマネが見つかるまでなら、べつにいいよ。 美術部だって自分のペースで行けばいいし」
高瀬くんはわたしと若菜を交互に見ながら、そう言った。
わたしはなんとなく言ってみただけだったし、まさか高瀬くんが「いい」なんて言ってくれるとは思わなかった。
でも高瀬くんがマネージャーをやってくれるなら、わたし、すごくがんばれそう。