青春に、寄り道中。
・ 紫色の空と思い出
冬休み最終日の夜。
今日は居酒屋でのパートがないお母さんと一緒に晩ご飯を食べていると、ふとお母さんが思いついたようにつぶやいた。
「そういえば、ソウちゃんって男の子、いたわよね」
その名前を聞いてすぐに、頭になつかしい映像が流れた。
そういえば、ソウちゃんはいまどうしているんだろう……。
ソウちゃんの家はわかっている。
おばあちゃんが前に住んでいた家の斜め向かいだったから。
ここからも近いから、どこかしらで会っているかもしれないなあ。
久しぶりに、会いたいな。
「元気にしているかしらね。お母さん会いたいな〜」
「うん、わたしも会いたいな」
中学生になってからここには来ていなかったから、5年くらい会っていないことになる。