青春に、寄り道中。
こうやって、また会えることができただけで、うれしいよ。
「ねえ、高瀬くん」
わたしがそう呼ぶと、高瀬くんは「ん?」と首を傾げてわたしを見た。
「……高瀬くんは、沙莉のこと好き?」
あまりにも唐突にそう聞いたからか、高瀬くんは目を丸くした。
わたしもタイミングをまちがえたと思ったけれど。
高瀬くんは「わかんない」と言って髪をクシャッとさせた。
「でも、沙莉は落ちこんでる俺のそばで優しく笑って支えてくれたし、大切な人だとは思ってる」
それって、高瀬くんが認めないっていうだけで、好き……っていうこと?
やっぱり沙莉の存在がうらやましく感じるけど、ふたりはお似合いだしうまくいくことを願ってる。
わたしの想いは、波にかき消されてどこか遠くへ流れていってしまえばいいのに――。
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