青春に、寄り道中。







天気の悪い日は、晴れた日よりもぐっと気温が下がって、めちゃくちゃ寒い。


だからわたしは、部活指定のジャージを着て、その上に自分の持ってるウィンブレ、さらにはネックウォーマーまでつけた。

運動して温かくなるまでは、もう防寒をしっかりしないと体を冷やしてしまう。


でも、帰るころが一番寒いんだろうなあ……。



15キロのバーベルを1本持って、体育倉庫を出る。

ネックウォーマーから口を出して、「ふう」と白い息を吐いた。



「寒いね」

「……うん、寒い」



後ろから出てきた高瀬くんに声をかけられて、うなずいた。



今日のメニューは、急遽ウエイトに変わった。

だからちょっと、テンションも上がらない。


本当はセット走だったはずなのに、サッカー部がどうしてもグラウンドを広く使いたいらしくて、トラックを使えなくなったんだ。


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