青春に、寄り道中。
それだけじゃなくて、あのクリスマスの日や他の日にもふたりでいるところを目撃した人がいたとかで。
たしかにわたしも、もしかしたらふたりはつき合ってるんじゃないのかな……って思ってたけれど。
本人が否定しているんだから、それで納得できた。
だけど周りは沙莉の言葉に耳も傾けずに、陰でぐちぐち言ったり、意味もなくじっと見てくる人もいる。
そんなの、ただの嫉妬じゃん……。
「なんか、かすみんまで巻き込んじゃってごめんね……」
「ううん、わたしは大丈夫だよ」
「それなら、いいんだけど」
沙莉はわたしの言葉を聞いて、ホッとしたように息を吐いた。
1週間くらい経てば、こんなふうにうわさされたりすることはなくなるかな。
でも本当は、明日にでもいつもどおりになるといいんだけど。