青春に、寄り道中。
「お母さんこそ、いつも寂しい思いをさせてごめんね」
そんな言葉に、首を横に大きく振った。
「わたしも、バイトする」
「でも華純、部活は?」
「部活も出るけど、バイトを優先にする」
「お金のことは心配しないでいいのよ」
そんなこと言わないで……。
だってもう、決めたんだから。
ふたりの生活費に、わたしの教育費に、おばあちゃんの入院費に、お金はたくさんかかる。
でも、お母さんには夜の居酒屋でのパートはやめてもらおう。
そうすれば、少しは負担も減るよね……。
とにかくわたしがそのぶんバイトして、お金を稼ぐんだ。
「わたしもがんばるから」
「華純……」
「いっしょにがんばろうよ」
そう言うと、お母さんは少し涙ぐんだ。