青春に、寄り道中。
「でもどうしてこんな時期に?」
「あ、わたし……9月に引っ越してきたんです」
「そうだったの?知らなかったわ〜。 みなさん元気?」
「……あの、わたしの親は離婚したんです。だから母とここに越してきました」
そう言うと、おばさんと美波さんは少し申し訳なさそうな顔をした。
高瀬くん、言ってなかったんだね。
「言いにくいことを聞いてしまって、ごめんなさいね」
「……いえ、大丈夫です」
ちょうどそこで話が止まると、リビングのドアが開いて、わたしは後ろを振り返った。
スウェットを着て、濡れた頭をタオルで拭きながら入ってきた高瀬くんは、わたしに気づくなり、目を丸くさせた。
「あんたが風呂入ってるから、家に入れてあげたの」
状況がうまくよめてない高瀬くんに、美波さんがそう説明した。